TUMUGIのきものさんぽ

きものに目覚めて二年目。40代主婦のかしこまらないきもの生活。

長襦袢は勝負下着?

またまた間が空いてしまいました。

たくさん書きたいことはあるのですが、なかなか頭の中がまとまらず……。

今日は、長襦袢のおしゃれについてお話しします。

 

私が襦袢のおしゃれに興味を持つようになったのは、寺内町にある切り絵工房の作家さんの着こなしを拝見してから。

「今昔の玉手箱」facebook

黒い中振袖に、ロングの垂らし髪、黒いハイヒールという斬新な着こなしは、それだけでも十分魅力的でしたが、私の目は袖の隙間からチラチラ見える友禅柄に釘付けになりました。

ほぼ無地の黒い着物だっただけに、間から見えるカラフルな柄が、特に目を惹いたんですね。

 

その後、「かわいい襦袢が欲しいな」と思いつつ、しばらく自重していたのですが、ある日私のストッパーを外す事態が!

一目惚れして買った白大島の袖丈が長く、手持ちの襦袢では合わなかったのです。

実はこの時まで、リサイクル着物を買う時に袖丈など気にしていなかった私……。

でも、昔の人は襦袢と着物をセットであつらえたりしていたようで、袖丈も今に比べて自由なんですね。

この大島の袖丈は約57cm。

通常の襦袢の袖丈は50cm足らずですから、全然足りません。

↓こんな感じ

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そこで、いつものイチロウヤさんで、物色することにしました。 

こちらのお店は、着物はもちろん、襦袢の品揃えも群を抜いていると思います。

 

↓ある日の陳列イメージ

「これが襦袢?」と驚くほどカラフルなものがいっぱいです。

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 価格帯とサイズから条件を絞り、最終的に購入したのがこちら。

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一見、チューリップか恐竜の足跡みたいに見える柄は、絞り染めでできています。

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これこれ。これがしたかったの。

袖口からのチラリズム

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 その後も、袖が長めの着物に縁があり、この襦袢は大活躍。

(むしろ、最近は袖丈が長めの着物の方が好きになってきた)

着物より襦袢の方が丈が長い時は、折り曲げて着ています。

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時を同じくして、着物仲間のK氏も長襦袢の魅力に取り憑かれた様で、何枚も買い揃えていました。

お茶の道具や扇子などが描かれた粋な襦袢。

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細かい絞りの技が効いた一品。

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こちらは、鷹や松、瓢箪など、縁起の良い意匠が男っぽく描かれてます。

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これらは大阪の日本橋にある植田衣料店で購入したそう。

こんな手の込んだオシャレな襦袢が格安で手に入るから、ほんとリサイクルはやめられない(笑)

 

この時、K氏が「襦袢は昔の勝負下着や!」と言い出し、私もその説に激しく同意。

なぜなら本来、下着である襦袢は人に見せるものではありません。

それなのに、これほどオシャレにこだわる理由なんて、それしかないでしょ?

 

男性の着物は一般的に無地や細かい地模様のものが多く、一見代わり映えしません。

でも、ちょっとした動作のたびに、袖口や裾からチラリと見える派手な柄。

「いや〜、この旦那はん、粋な襦袢着てはるわ〜」(なぜか京都弁)

と、言ったかどうかはわかりませんが、当時の女性たちがそこに魅力を感じたのは、想像に難くありません。

これは、男性側から見ても然り。

「大人しめな着物を着ている割には、派手な襦袢を着てるやないか〜」

と、チラチラと見える襦袢の柄から、彼女の襦袢姿を想像し、大いに興奮したことでしょう。(ちょっと、変態っぽくなってきた?)

 

そう考えると、着物はつくづく「チラリズムを楽しむ民族衣装なんだな〜」と思います。

胸やウエストを強調する西洋のドレスとは真逆に、寸胴なシルエットで全身のほとんどが布に覆われている着物。

隠されている部分が多いからこそ、うなじに色気を感じたり、見え隠れする襦袢に妄想を膨らませたりするんでしょうね。

 

古代中国で着られていた漢服は、日本の着物のルーツと呼ばれていますし、私もそうだろうと推察していますが、もっと露出度が高いものが多いです。

参考画像→画像 : 【写真資料集】漢民族の民族衣装「漢服」:女性 - NAVER まとめ

当時の下着などは、金太郎の前掛けみたいな形状で、背中はほぼ丸出しですし、目のやり場に困るくらいです。

 

doudouというそう。

参考サイトhttp://blog.livedoor.jp/fairypot/?p=5

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これらに比べて、着物は露出度が低いので、ルーツは同じでも日本独自の文化として発展していったんだろうなと、個人的には思っています。

その一方で、胸元や裾ははだけやすいし、帯一本であっさり脱がせてしまう。

そういう危うげなエロチズムを我々は潜在的に持ち合わせていて、チラ見えに魅力を感じ、「お洒落」とか「粋」と感じてしまうのかもしれませんね。

 

もちろん、私は襦袢でセックスアピールをするつもりはありませんし、誰もそれを期待していないとは思いますが(笑)、チラリズムを取り入れたお洒落文化はどんどん楽しんでいきたいなと思っています。

 

ちょっと話が脱線してしまいましたが、本日はこの辺で。

 

長襦袢を洗っちゃいました♪

着物の下着と言えば襦袢。

肌着の上に着るとはいえ下着ですから、できれば着るたびに洗いたいものです。

でも、絹製のものは縮むのが怖くて、これまで自宅では洗えませんでした。

洗いに出せば何千円もするし、ちょこちょこ頼むと財布が痛い。

……で、以前から挑戦しようと思っていた、自宅洗いをとうとう決行してしまいました。

今回はそのレポートを書かせていただきます。

 

今回洗ったのは、亡くなった祖母に縫ってもらった二枚の長襦袢

いずれも私が子供の頃に作ってもらいましたので、もう三十年以上前のものになります。

 

一枚目は一見綸子っぽい風合いですが、素材は不明。

でも、こちらは絹ではなさそうなので、洗えるんじゃないかなと以前から思っていました。

仕立ては袖無双銅抜(そでむそうどうぬき)。

胴の部分は単で、袖にだけ同生地の裏がついています。

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もう一枚はどう見ても絹。(羽二重っていうのかな?)

しかも袷なので、失敗の可能性大。

かなりの冒険です。

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洗剤は、自宅洗いされた方々のブログを参考にして、中性洗剤を使用しました。

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「おばあちゃん、ごめん!!」

と言いながら、洗面ボールに張った洗浄液に、まず綸子っぽい一枚目をジャポン!

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洗っている感覚は、「いけそう」←根拠のない自信

こちらに関しては、縫い目の部分が引きつることもなく、手触りも変わりませんでした。

押し洗い1回、すすぎ洗いを2回して軽く絞っておき、二枚目にGO!

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こちらは水を含むほどに、ツルフワだった手触りがザラザラとしてきて、徐々に不安に……。

しかも、押し洗いするたびに洗浄液が黒く濁り、おばあちゃんの部屋で臭ったことがある、懐かしくもちょっと嫌な臭いがモワモワ。

 

臭いが気になるので、こちらは洗いを2回しました。

すすいだ後は、臭い隠しと風合いが少しでもよくなるようにと、リンスを投入。(絹も毛髪と同じ天然素材なので、シャンプーとリンスで洗うというブログを見かけたので、それを参考に)

 

その後、まとめて洗濯機で脱水にかけて約6分。

湿ったままの状態で、生地をひっぱり、伸ばすようにアイロンをかけます。

一枚目は縮んでいる様子がないので、取り急ぎ二枚目からかけました。

 

袷なので、胴裏や袖の裏の生地もアイロンで伸ばします。

この作業が結構大変。

納得できるまでには、30分くらいかかったかも。

最初のうちは、明らかに縮んでいるし、風合いがガサガサになっていて、「失敗か……」と暗い気分に。

でも、アイロンをかけていくうちに、乾いた部分にもとのツルフワの手触りが戻ってきて、ちょっと安心。

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何とかもとに近い状態になったので、あとは室内で陰干し。

うんうん、これなら着れそう。

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一枚目はアイロンする必要もなさそうだったので、そのまま屋外に干しちゃいました。(綿素材の半襟のみ、シワができていたのでアイロンをかけました)

 

結果。

私の場合は、まあまあ成功。

一枚目は合繊だったのかな。

こちらの方は、これからは気兼ねなく、じゃぶじゃぶ洗えそうです。

二枚目は、身丈が3cmほど縮みました。

でも、何度もアイロンした袖はそこまで縮まなかったので、これは伸ばしが足りなかったせいだと思います。

まあ、着物の下に隠れるものだし、私はこのまま着ようと思います。

とはいえ、アイロンをかけるのに手間がかかるし、生地を引っ張ると傷みそうなので、今後は一枚目の長襦袢をメインに使おうと思います。

一枚目が洗えるということがわかっただけでも、私には収穫♪

 

ついでに半襟も洗濯してすっきり!

半襟は脱水後、縦半分に折って、アイロンをかけてから干しました。

先にアイロンをかけておけば、縮みや変形を防げますし、折り目をつけておけば、縫い付ける時ラクです。

 

 

最後に

襦袢の洗濯に挑戦される方は、くれぐれも自己責任でお願いします!

袷の表裏生地の違いや、使われている糸の素材によっても伸縮率が変わりますので、再生できなくなる可能性があります。

私も身丈が3cm縮みました。←大事なのでもう一回言いました。

場合によっては、もう着れなくなるかもしれません。

それでも、「うまくいったらラッキー」と思える方は、挑戦してみてください。

 

とか何とか言いながら性懲りも無く、そのうち着物をコインランドリーで洗ってみたいと思ってたりします。

着物は襟元が楽しい♪

ある程度着物が着られるようになってくると、今度はアレンジして着こなすのが楽しくなってきます。

同じ着物と帯でも、帯揚げや帯締めを変えれば印象が変わりますし、いつもはお太鼓結びにしている帯を銀座結びなどにアレンジしてみても気分が変わりますよね。

 

そんな中で、私が今特にハマっているのが、襟元のアレンジ。

半襟や伊達襟でのおしゃれが、手軽なのに効果的で楽しいです。

 

ご存知かとは思いますが、半襟とは着物の内側に見えている長襦袢の衿部分。(桜柄のピンク生地)

伊達襟は、着物の襟の下に重ねている布です。(濃いピンク生地)

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私は、こちらのブログでよく登場する「大正浪漫」さんで、主に購入させていただいています。

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半襟は250円、伊達襟(リサイクル)は500円。(安い!!)

私は厚みのある衿が好きなので、こちらのしっかりした生地の半襟がお気に入り。

市販の生地や手ぬぐい、バンダナなどを使用されている方もいるみたいですよ。

今気になっているデニム生地の着物を手に入れたら、バンダナを半襟に使ってみようかなと思っています。

 

楽しみ方は簡単♪

脱がなければわからないので、私は大雑把にグシグシ襦袢に縫い付けちゃいます。

こんな感じ。

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テープで貼り付けたり、金具で固定する方法もありますが、私は一番安定する気がするので縫い付け派。

 

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 娘がお気に入りの組み合わせ。

白が基調の着物と羽織の組み合わせに、濃紺の半襟がいいポイントになってくれてます。

 

 

以下は全て同じ伊達襟をつけています。

赤とグリーンのリバーシブルなので、着物に合わせて付け替えられて便利。

私の成人式の時に付けたものですが、来年の娘の成人式にも使用しようと思っています。

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↑娘の成人式用の組み合わせ(振袖は私のお古)

結構豪華に見える中の半襟ですが、ネットでなんと500円でゲットしました!(新品ですよ!)

 

半襟を伊達襟として使うこともできます。

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次に狙っているのはこちらの半襟

こちらのお店には、他にはない斬新なデザインの刺繍半襟がたくさん♪

価格もリーズナブルです。

このミミズクと、夏用のホタル柄にロックオン中!

item.rakuten.co.jp

 

ついでに、私のもうひとつのこだわり。

厚みのある衿が好きな私は、衿の中に綿を入れています。

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と言っても、百均で売ってるキルト芯を細長く切って、半襟の中に入れるだけ。

安い襦袢を買うと、衿が薄くて着るときにシワが寄るのが嫌なので。

亡くなった祖母が縫ってくれた襦袢や浴衣は、塩ビの襟芯を入れなくても立つくらい分厚くてしっかりしているので、自然とそれが好みになったみたい。

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綿を入れていなかった頃。

衿にシワが寄っているのがおわかりいただけるでしょうか?

厚みや丸みがないので薄っぺらくも見えますよね。

 

ついでに、伊達襟は襦袢に付けるか、着物に付けるかで意見が分かれるみたいですが、両方試してみて、私は着物に付けるのが着やすかったです。

伊達襟を留める金具もありますが、私はこれも縫い付けちゃいます。(背中心とその左右10cmくらいのところに)

留めるだけなので、それぞれひと縫いする程度ですが、それで1日安心して過ごせます。

キズが付くので、高価な伊達衿にはオススメはいたしませんが……。(私の場合は基本リサイクル品なので)

 

 

工夫次第で色々遊べるのが、着物の楽しいところ。

衿だけでも、懲りだしたらきりがありません。

こうやって、またハマっていっちゃうんだなあ〜(笑)